「イザベラ」(毛色)について

「イザベラ」の被毛を纏った子犬が産まれました。

さすがにイタリアングレーハウンドではなく、ロングヘアー・チワワの女の子です。

正式に言うと、イザベラ&タン。

そもそも「イザベラ」とは、ミルクチョコレート色というか、青みがかった薄めの茶色と言うか、茶色がかった灰色とか、チョコレートが色あせたような色と仰る方もいらっしゃいます。

被毛のカラー遺伝子の勉強もかねてチワワも若干頭数ですが育てております。

犬の中では、ダックスフンドとチワワが被毛のカラーバリエーションがとても多くて。

ダックスフンドでは、毛質も「スムース」「ロング」「ワイヤー」と3種類もあります。

ブリーダーとして遺伝については常に考慮すべき事柄ですし、研究し、新しい情報を学ぶことが必要です。

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カラー遺伝の研究については犬よりも爬虫類の方が非常に進んでおります。

コーンスネークやボールパイソン、レオパードゲッコウ(ヒョウモントカゲモドキ)などは驚くほどのカラーバリエーションがあり、随時新しいカラーやパターンを纏った子が発表されます。

哺乳類よりも、親が子供を産み、その子が新たに子供を産むというタイミングが早いので新しく掛け合わせた遺伝子の結果を早くに知ることが出来ることと、残念ながら犬猫よりも命の価値が低いので様々な方法で実験的な交配も出来ることが理由と考えます。

私も勉強を兼ねて、コーンスネークやレオパードゲッコウを育てていた経験があります。

白色、黄色、赤色、黒色が、単色や複雑な複色にて身を飾っている姿はとても美しい。

それをブリーダーが自身の欲求するカラーやパターンを夢想しながら作出できた喜びは最高の幸せではないでしょうか。

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さて、私も何の考えもなくイザベラの子犬を作出したわけではありません。

イザベラの子犬を産ませたく、トライした結果です。

単なる偶然や考えもない無計画なブリードをしたわけではありません。

イザベラとは、チョコレートの被毛がブルーの遺伝子により希釈されて出来た色合い。

ただし、まずはチョコレートとブルーの被毛を生み出す為にブラック&タンを出すための「A(Agouti)アグーチ遺伝子」のatのホモ結合が必要であり、更にチョコレートを発現させる「B(Brown)ブラウン遺伝子」と、ブルーを発現させる「D(Dilution)ダイリューション遺伝子」も劣性遺伝子であるので両遺伝子までもがホモ結合されている必要があります。

これだけ劣性遺伝子であるカラー遺伝子のホモ結合が必要になってくるとやはり簡単に作出できるカラーではありません。

ブリーダーの持つ知識と経験と技までもが必須となると思っています。

何も考えず、知識もないのに、レアカラーは珍しい色合いだからとたまたま偶然から産ませたら出てきたなんて言ってはいけないカラーだと考えます。

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推測できるママのカラー遺伝子座   atat Bb CC Dd E- gg kk mm SS tt

推測できるイザベラの子のカラー遺伝子座  atat bb CC dd E- gg kk mm SS tt

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当然ながら、イザベラの子犬はお鼻、パット、アイライン、瞳などの本来は黒色になる部位もイザベラもしくは退色しております。

また、「D(Dilution)ダイリューション遺伝子」も作用していますので将来のCDA(カラーダイリューションアロペシア)への移行も注意すべきです。

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いずれにせよ、ブリーダーが計画立てて狙って作出できたブリーディングは最高の幸せです。

1頭が数千万円から数億円にもなる競馬馬のサラブレッドのブリーディングとは違いますが、美しく淡い色合いのイザベラカラーを作出できた喜びはブリーダーならではのことと思っています。

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ドッグブリーダー パピーズママ

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