ブリーダーの定義

「ブリーダー」breeder
家畜等の交配・繁殖を職業とする人。

*シリアス・ブリーダー
犬質を高め、ドッグショーで優秀な成績を望める犬の作出を図り、繁殖・販売により生計を立てる専業者。
繁殖により生活費を稼ぐ必要もあり、一般に質も高いが、販売価格も高価となる傾向が強い。

*ホビー・ブリーダー
別に職業は持っており、繁殖に頼らずとも生活の糧は得られている。
趣味が高じてのブリーディングを行っており、個人のブリーディングポリシーに則った繁殖を行っている場合が多い。
一定の質も保持され、価格も比較的リーズナブルだが、一言を持つ繁殖者が多く見られる。

*シリアス・ホビー・ブリーダー
シリアスブリーダーとホビーブリーダーの中間。
両方の良い所取りをしており購入先としては良いとされるが、中途半端な悪い所取りになってしまったらと怖さも感じる。

*バックヤード・ブリーダー
自宅で育てている牡牝が自然交配をし、その仔犬を販売する。
少数飼育している家庭犬を愛情深く育てた結果としての繁殖ではあるが、質・血統・遺伝子・疾患等についてはたいして研究してはいない。
 我が家の子は可愛い。
    ↓
 よって、その仔犬は素晴らしい。
 と言う理論での繁殖となる。

*パピー・ミル/パピー・ファクトリー
利益を追求する為に子犬を産ませ販売する繁殖屋。
利益の追求が至上命題であるので動物愛護の精神は薄い。
ペットを生産動物として扱う。
運動させると汚れるし食事量も増えるので、一生を狭いケージの中だけで過ごさせ飼い殺しにする。
シャンプーなどの手入れもせず、衛生管理などは考えもしない。
極力費用と手間を掛けず、産ませることを主とするので、質・血統・遺伝子・疾患等は考えていないと言える。

このような分別方法もあります。
ただ、バックヤードブリーダーがホビーブリーダーへ推移する場合も多くありますし、シリアスブリーダーとは言うもののパピーミルとたいして変わらぬブリーダーも存在します。
仔犬を家族に迎えようとするあなた自身が、直接会話し、実際に会ってみて、家族の一員となる仔犬の繁殖者として納得できるか否かを決めるしかありません。

ブリーダーを全て一緒くたに扱い、命を金銭に変えるだけの守銭奴の様に言う方もおります。
仔犬を購入するくらいなら、施設から保護されている犬を授かれば良いと言います。
純血種とは、先人達が目的に合わせ努力を重ね改良した品種です。
愛玩犬種ですら、子女達でも抱っこしやすく可愛らしいと言う特質を持って作出されています。
それを守り、更に質を高めるブリーダーがいなくては絶滅してしまいます。

ブリーダーにはどの様にすればなれるかという問合せを頂きます。
通信講座のようなテキストも販売されております。
10数万円~40数万円の費用を払い、テキスト完了にてその団体が任意で作った資格をくれると言うものです。
その様な資格はどこであろうと全く使えませんし意味はありません。
何年もの間、実地にて経験し、汗をかかなくては理解できませんし覚えられないことは確かです。
よほど金銭に余裕があるのならば参考資料として目を通すことも良いでしょうが、それほどまでにゆとりのある方はブリーダーなどするものではありません。
喜びと同程度に辛さや悲しさのある業種ですから。
再三繰り返していますが、儲けは薄く、ブリーディングのみで収入の主を得られるブリーダーは国内でもトップグループの一握りかパピーミルでしかないでしょう。

それでもただ一つ言えることは、ブリーダーとは最高の楽しみであることは自信を持って公言できます。