どんなに悲しくともいつかは死が訪れます。
栄養管理に気を使おうとも、獣医師と強力なタッグを組んで健康管理を行おうとも、死によって別れを迎えることとなります。

悲しさや寂しさは十分に承知致しますが、「葬儀」をどうするか、「埋葬」をどうするかを決めなくてはなりません。
大変事務的で冷たいように感じるかもしれませんが、流れをご説明致します。

ワンコが亡くなってしまった場合、まず亡骸(なきがら)を安置しましょう。
動物病院で亡くなった場合は、亡骸を清めたり、防腐処置を行って下さいます。
ご自宅で亡くなられた場合は、ご自身で愛情を持ってご処置下さい。
基本は人間の処置と同じだと言います。
布で拭いて体を清めてあげましょう。
できましたら口と肛門(こうもん)に綿をつめ、硬直が始まる前に口を閉じる、足を折り曲げるなどして穏やかな表情・休まる体位に整えてあげたいものです。
目が開いたままの状態でしたら乾燥を防ぐ目薬をさし、時間をおけば閉じやすくなるそうです。
亡骸は、そのまま火葬場に運べる段ボールなどの丈夫な箱に入れます。
夏場だけでなく冬でも、保冷剤やドライアイスなどで腹部を冷やした方が間違いございません。

ワンコの場合、登録し鑑札を受けた市区町村へ死亡届提出が義務付けられていますのでお
忘れなきよう。

保健所や市町村役場、動物愛護センターなどで埋葬(焼却)処理方法もお教え下さいます。
「埋葬」に関しては亡骸を投棄する事は勿論、他人の山野や公園で焼いたり、所有地以外に埋める事、海や川に投棄する事などは罰せられます。

一般には、ご自宅のお庭に埋葬する、環境センター(ごみ焼却所)で焼いてもらうか、ペットの葬儀場や霊園で焼いてもらう等の方法があります。

割り切り方により是非はありますが、環境センター(ごみ焼却所)で焼いてもらう場合、家庭ゴミと一緒に焼かれる場合もありますが、無料もしくは数百円~3千円程度で焼いてもらえます。

以前は自宅のお庭や近所の山や畑に葬っていた方が多かったように感じます。
最近は、公共の場や他人の土地に勝手に埋葬すると不法投棄として違法行為にもなりますし、持ち家で無い場合も多く、衛生面の配慮や亡きワンコへの愛着から、火葬にしてペット霊園に埋葬する人が増えているそうです。

今は民営のペット葬儀場やペット霊園も多くあります。
webで検索しても簡単ですし、動物病院やペットショップで斡旋してくれる場合もあります。
値段が高い順には、
(1)立ち会い葬(火葬に飼い主らが立ち会い骨揚げできる)
(2)個別葬(個別に火葬し骨を後で返却してもらう)
(3)合同葬(他のペットと火葬し合同供養してもらう)
に分けられると思います。
自宅へ引き取りに来て下さったり、その場で火葬してくださるサービスもございます。
お花や愛用したオモチャなど、可燃物で少量なら一緒に焼いてくれる所も多いようです。
セカンドビジネスとしてお寺さんがペットの葬儀・霊園を営んでいる場所もあり、その場合は僧侶の読経や戒名も付けてくださったりします。
思った以上に高額になってしまうケース、以前新聞を賑わせた詐欺的ケースも多々あるようですの
で予め十分に検討なさっておいてください。

動物専用の焼却炉を備えた公設斎場も数多くなりました。
「犬の街」として有名であり、忠犬ハチ公の出身地でもある大館市では、ペット専用焼却場「ペット霊園」を建築致しました。
使用料は自治体によっても、ペットの体重などによっても異なりますが、数千円から1万円台が一般的で民間よりもかなり割安です。
一部の火葬場ではペットの火葬も対処下さるところがあるようです。
ただし、居住地でない場合は受けてもらえないケースも多いので直接お問い合わせ下さい。

私もペットロスで苦しんだ事がありました。
それでもなぜか遺骨にすることで心の区切りが1つついた様な気が致しました。
人間の葬儀や埋葬と違って、昔からの慣わしや宗教に縛られた厳密なルールや強制はありません。

お骨にしたからと言っても、寂しかったり、心残りがある様でしたら、ご自宅において置かれ祭っておけば良いと思います。
弔中の49日には納骨しなくてはならないとか義務はございません。
合同葬でお骨が混ざってしまったとか、納得できなかったのに皆の声に押され早々に納骨してしまったなど慙愧の念にとらわれてしまう方も多いように感じます。
ご自身、ご家族、信仰されている宗教などを熟慮しご決断下さい。

お骨は自宅の庭に埋めたり室内に安置する人もおられるようですが、ペット用の納骨堂や霊園を利用するケースが増えているようです。
お骨の安置棚は合同のものと個別に置けるものがあり、安置期間によっても料金は異なります。
ペット霊園も合同墓と個別墓がありますが、最近は徐々にではありますが人間と一緒に供養できる墓も増えているようです。亡くなっても家族ですから永久に一緒に居たい気持ちも良くわかります。

「葬儀」に関して法的縛りはございません。
喪主様が考え、お決めになれば良いこと。
費用、連絡しなくてはならない方々、葬儀の方法、委託するかご自分でなさるか…
宗教・宗派によりいろいろなお考えがあり決め事も違っていると思いますが、初七日、法要、納骨なども、喪主様ご家族様がお決めになればそれで良いと思います。
愛するワンコは皆さんのご意思に恨むこともなければ、背くこともないのですから。
皆さんが愛してくだされば無事天国に行くことができます。
出来ればワンちゃんが元気なうちに早めに決めておかれると手配も楽になりましょう。
心残りが無いように、こちらもワンちゃんが元気なうちに早めに決めておかれる良いでしょう。

いずれも考えようも無いでしょうし、考えたくも無いでしょうが、万一のケースを考慮し、事前に家族と相談し決めておくべきだと思います。