イタリアングレーハウンド(イタグレ)は犬種のグループ分けでは第10グループの視覚狩猟犬(サイトハウンド)に分けられます。
はるか昔、犬種として固定化されつつある頃にはウサギなどの小動物を得意の目の良さで見つけて走り追いかけ捕ることを生業としていました。
血統の近い犬種には、グレイハウンドというドッグレースに出走される犬もおります。

1日数回のお散歩を必ず行わないと運動量の多いイタグレにはストレスになり可哀想という方が多数いらっしゃいます。
やはりイメージとしてランニングも含めた運動をおこなうことが必須であると思われているようです。
雨の日、風の日も、雪の日も、台風が来ようとお散歩しないと可哀想だと思われています。

本当にそうなのでしょうか。
犬は習慣性を強く持つ生き物です。
繰り返しお散歩に連れていくとそのことが当たり前であり、行かなくなるとストレスを生じることになります。
どのような天候であろうと、行けなくなることがストレスであり、飼い主さんと一緒にずぶ濡れになろうともお散歩に行かなくてはなりません。
時間を決めてお散歩していると更に大変です。
飼い主さんが具合が悪かろうと都合が悪かろうとも、その時間に合わせてお散歩に行かなければならなくなります。
このことは食事にも同じことが言えます。
毎日同じ時間に食事を与えていると、定時から30分も遅れるだけで大きなストレスを発生させることになってしまいます。
必ず時間通りに行動しないとならなくなります。
お散歩をしなくてはならない生き物なのでしょうか。
ご高齢の方が毎日ご近所を1周りお散歩をしても運動量としてはわずかなものです。
お散歩をしなくては健康に害を起こす生き物ならば、年配者がダッシュを繰り返しながら毎日何時間も走らなければならないことになるでしょう。

イタグレもお散歩は大好きです。
ドッグランに行くとお得意に走り回りとても嬉しそうです。
お散歩も大切なことだと思います。
しかも飼い主さんと一緒の時間は幸せなコミュニケーションになり、飼い主さんの健康にも貢献してくれるでしょう。

私のおすすめです。
時間も決めず、毎日のノルマとも思わず、気が向いたときに体調の良い時に限りお散歩されれば良いのではないですか。
習慣にしてしまうことはいけません。
出来ない時にストレスを発症させ心身に害を及ばせます。
飼い主さんの勝手気ままでお散歩に行くだけでよいと思います。
ご自身の都合をイタグレに合わせさせるのです。

私たちはイタグレと暮らし、毎日日中はリビングなどを自由にさせております。
夜はケージで寝かせております。
お散歩は週に数回程度しかできません。
それでも運動不足を生じ健康に問題を起こしたことはありません。

お互い無理はしないこと。
人間の思い付きでお散歩をし、飼い主さんが優先の生活をしてください。
イタリアングレーハウンドは飼い主さんに合わせて生きることが当たり前の普通の時間となります。
人間とイタグレがストレスなく一緒の生活をするために大事なことだと思います。

イタグレを主とした生活にしてしまうとアルファ(α)症候群という疾病になってしまいます。
犬の方が人間よりも偉くなり、犬の思い道理にならないと人間を攻撃するようになってしまいます。
犬は仲間同士のグループで生きる動物で、リーダーを必ず決め、そのリーダーに従います。
常に飼い主がイタグレの言いなりになっていると、イタグレ自身が自分のことをリーダーだと勘違いし、子分である人間のことを見下します。
リーダーの言いなりにならない人間は攻撃して従わせることが善であると勘違いしてしまいます。
あえて犬を主体とする生活をするのではなく、飼い主さんの我がまま気ままにイタグレを従わせます。
イタグレのしっかりしたリーダーがいると安心して生活ができるものですよ。