チョコレートを発色するカラー遺伝子は比較的分かりやすい遺伝子です。
Brown locus(ブラウン シリーズ)の遺伝子座がbb(劣性遺伝子がホモ結合)することにより発生します。
遺伝学上は、劣性遺伝子がホモ結合しなくては絶対に発生しないのですが…。
チョコレートを発色させるbが1つ(ヘテロ結合)でも、見た目(視覚)上ではチョコレートに見えてしまう子も多いので注意しましょう。
必ず両親にb遺伝子が入っており、それがホモ結合しない限り本来のチョコレートは発生しません。
ただ、ブラックの親でも先祖からb因子が見えない状態で遺伝している場合もあるから気をつけないといけません。
血統書を確認し、親・兄弟の発色を見ないと断言しにくいのですが…。
ブラウンシリーズは、毛色(黒色を茶色に変えます)だけでなく肉(お鼻やアイラインやパットお爪)の黒色までも茶に変えてしまいます。
これがこの遺伝子の面白さ。
なので、チョコレートの子は必ずお鼻やアイラインやパットやお爪も綺麗な茶色。
b因子が入っているかは、案外この見分け方で当たりをつけます。
瞳の色まで綺麗な茶色に染まる為、黒目を見慣れた方には苦手意識を感じてしまうこともあるようです。
本当はそのチョコ色こそブリーダーが狙って作出したい色合いなんですけどね!
遺伝子座(locus)/優性順位
B(Brown)ブラウン/チョコレート作出の為の遺伝子座
1.B カラーに影響せず。
2.b ブラックをチョコレートに薄める。(鼻、アイライン、パッドも変色させます)
毛色としては、「レッド」と「チョコレート」の差が分かりにくいでしょうか。
言葉では表しにくいのですが、ピュアレッドやクリアレッドといわれる色とも表現は似ている感じもしますけれど毛色だけでの判断は危険ですね。
チョコレートに黒の差し毛はありません。
黒(メラニン色素)が発生していれば、絶対にそれはチョコレートではありません。
交配に関して絶対に避けなければいけない色はありません
掛け合わせによって生命に危機があったり、障害を産む可能性が生じる遺伝子ではありません。
ダップルとは違うところ。
ただし、見た目(視覚)上で見栄えが悪く、ドッグショーでは欠陥となりますので避けるべき色合いは存在します。
フォーン、レッド、クリーム、ゴールド等の赤系の仔犬が産まれる可能性のあるブリーディング。
これは片親のみb因子を持っている場合でも、お鼻やアイラインが色抜けし、茶色やレバー色になる場合があるからです。
「ぼけチョコ」と呼ばれ、笑われちゃいます。
とは言うものの、私の行うブリーディングでは、b因子を持つ犬と持たない犬同士も交配させることはありません。
黒い毛色もお鼻等の肉も、ほんのりですが茶色っぽくなると思っているから。
十数年前のように、チョコレートの子が少なく、近親交配を避ける為にしょうがなく他の色を掛け合わせる必要も無いから。
プロフェッショナルとして、安易に血統書を信じて販売したり、遺伝子を考えずにチョコレートとして申請してはいけません。
そんな子は将来色合いが変色してしまいます。
遺伝上、両親のbを受け継いだ仔犬のみをチョコレートとしましょう!
見た目がチョコレートっぽいだけの子は、偽チョコ、、、なんちゃってチョコなのですから。
カラー遺伝子についてご質問お受けします。
弊舎から嫁いでいない、関係を持っていない…。
ご心配ご無用です。
同じ愛犬家として、知っている限りお答え致します。
一般家庭の方も、プロの方もどうぞ。
カラー遺伝子は命に関わる交配にも繋がりますので、表記・記載ミスなどございましたらご指摘願います。
2020.09.01
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