我が家では獣医師による感染症予防ワクチン接種の際、わずかな異常も見逃さず、早期発見・早期治療へと繋げる為に心肺の音を「聴診」をして頂いております。


ブリーディングをおこなっていますと数百匹に1匹程度「心雑音」と診断されてしまう子犬が現れてしまいます。
見た目も動作も全く普通に見えます。
体調が悪い様子もなく、見た感じは健常な子と変わりません。
元気に走り回っています。
犬の心雑音とは「心臓の雑音」のことで、「ドックン・ドックン」というような正常な心臓の鼓動と調和せずに音律を乱しているもので、犬では「ザッザッ」、「ザー」、「シャーッシャーッ」という雑音が聞こえることがあります。
雑音が強くなってくると「スリル」といって胸壁ごしにも雑音の振動が触れられるようになってきます。
病気ではないものもありますが、一般的には心臓や血管の機能に何か異常がある場合に心雑音が聞こえ、僧帽弁形成不全、僧帽弁狭窄症、肺動脈弁狭窄、ファロー四徴、大動脈弁狭窄等の理由による先天性心疾患が考えられます。

聴診器やエコーを使い診察していますが、生後半年ほどたたないと確定診断できないため、成長期雑音の可能性もあります。
成長期雑音なら成長につれ心雑音は消えてしまい何ら問題ありません。
発熱、交感神経の緊張増大、貧血、その他の要因により、無害性雑音、生理的または機能的な雑音が一過性に確認されている可能性もあります。

ただし、心臓の疾患によるものでしたら最悪の場合命を落とす場合があります。
もしかしたらすぐにも亡くなってしまうかもしれません。
当たり前に十数年間の寿命を全うする子も沢山います。
今後どうなるか分からないということが獣医さんの見解です。
分からないので弊犬舎では販売できないということです。
パピーズママでは心雑音と診断された子犬は販売いたしません。

雑音の程度も「軽め」のLevineⅠ度~Ⅲ度程度ですとモラルの低いペットショップやブリーダーならばそのまま販売するレベルです。
ペット業者が集まるオークション市場でも程度の軽い雑音では欠点となりますが販売ルートに乗ります。
もっと重い雑音を持っている子でも寿命を全うする子もたくさんおります。
しかしながらパピーズママでは命の危険性があることを分かっていながら販売することはできません。
命を落とす可能性としては低くとも、危険性を分かっていながら商売は出来ないのです。
全てを承知くださる里親様を募集し託すこととなります。
その子でしたら、幸せにしていただけることを唯一の条件に無料でお引き渡しをお願いいしております。
万一のことがありましてもブリーダーとしては一切の保障も責任も取れません。
血統書はありません(ちゃんとした本物のイタリアングレーハウンドですが申請しません)
出来ましたら「欠陥を持つ子」とお考えにならず「個性的な子」と思って可愛がっていただければ幸いです。

もしも獣医さんに心臓の手術をしていただくとしたら非常に高額な治療費がかかってしまいます。
心臓手術をしないのならば、そのほか特に治療することも薬などを服薬することもありません。
普通のワンちゃんと同じように生活をさせてあげるだけです。
特に手術はせず、自然体に暮らして、いつ亡くなるかもわかりませんが、それがその子の寿命であり、若くして亡くなったとしても幸せに天寿を全うしたと言う考えも出来ると思います。
私などは、自然に暮らして、寿命を全うさせてあげることが幸せかと考えてしまいます。

心雑音の音量評価 Levineの6段階分類
Ⅰ度 常に微かな雑音。集中しないと聴取不可。
Ⅱ度 微かな雑音。集中しなくとも聴取可。
Ⅲ度 中程度の雑音。
Ⅳ度 大きな雑音。スリルを伴う。
Ⅴ度 非常に大きな雑音。聴診器を胸壁から離すと聴取不可。
Ⅵ度 聴診器を胸壁から離しても、聴取できる大きな雑音。

グレードもⅠ~Ⅲ/Ⅳの場合、発熱、交感神経の緊張増大、貧血、その他の要因により、無害性雑音、生理的または機能的な雑音が一過性に確認されている可能性がありますが、すべてが病的ではないとは言えません。
軽度な大動脈弁狭窄症、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症は、無害性雑音、生理的または機能的な雑音と混同される可能性があるとされています。
診断には、経過観察やエコー検査、レントゲン検査、心電図検査が必要です。
治療は病気の種類とその重症度によって異なりますが、根本的な治療ではなく、進行を抑制し、今よりも状態を悪化させないことが治療の目標となります。
主な治療は、心臓の動きを助け、負担を軽減する薬の投与です。しかし、症状や心臓の重症度に合わせて処方されるお薬も変わってきます。
近年、獣医療技術の進歩により心疾患の手術療法も選択肢の一つとなりましたが、高度な技術と設備が必要なため、限られた動物病院でのみ実施されています。

心臓に負担をかけないために以下のポイントに注意してください。
・呼吸が上がるような激しい運動は控える。
・塩分の多い食事を避ける。
・極端に暑い場所、寒い場所は避ける (交感神経が刺激され心臓の負担が高まる)
・肥満であればダイエットをする。

出来る限り永く、幸せで安寧な生活が楽しめるよう祈っております。