どのような手段や対策を取ろうとも必ず死は訪れます。
お金持ちでも貧乏人でも、王侯貴族でも平民であろうとも分け隔てしない事実です。

家族の一員として大切に育ててきたワンコが亡くなる辛さは…。
長らくブリーディングを行い、幾たびも死に直面致しましたが、慣れるどころか切なさと辛さは増えるばかりに感じます。
1匹だけを飼育していた頃、その子を事故で亡くし、その辛さに耐え切れず「1匹だけしかいなかったから亡くなった場合は辛いのだ。たくさんのワンコに囲まれていれば1匹が死んだとしても辛さは減るだろう」と安直に考え、多頭飼育に向かった私達ですが、何十頭ものワンコに囲まれていても愛する我が子の死を直面すれば寂しさと辛さは変わりもしませんでした。

最近は一般用語となりつつある「ペットロス」ですが、わずか昔にはそんな言葉もありませんでした。
「たかが犬が死んだくらいで、なぜそこまで悲しむのか?」「つらいなら、新しい犬を飼い直せば良い」「犬なんか、いくらでも変わりはいる」
沈んだ心を慰めようとしてくれている親身の言葉なのでしょうが、悲しみに沈んでいる身には切なすぎる言葉となります。
ようやくペットロスも社会に認知されるようになり、心の専門家による治療やケアも当たり前に行われるようになりました。

ワンコの寿命は十数年。
私達の寿命に比べ短すぎます。

日本にいるワンコの数は、厚生省のデータによりますと平成18年度の登録数は6,635,807頭。
ペットフード工業会が行っている調査では、同年度の飼育数は12,089,000頭。
2倍近くの差がありますが、これは実際には無登録のワンコがこれほど多いと言うこと。
日本の人口1億2772万人と比較しますと、10人に対し1匹のワンコ。
一世帯4人と考えますと、2.5世帯に対し1世帯はワンコを飼育していることとなります。

今後もペットロスで苦しむ方々は一層増えることとなるでしょう。

それでも大切なワンコが亡くなったのですから無理する必要はありません。

悲しくて当たり前です。
切なくて当然です。
つらいのです。

だって、それほどまでに愛していたのですから。

忘れる必要などありません。
長い間、愛情を与えてくれた子なのですから。
そのこと一緒に築き上げてきた思い出を消す必要などありません。

いつまでも大切に保管しておきましょう。

愛犬の死に嘆き悲しんでいる方々から多くのお話を伺いました。
思い出話をたくさん聞きました。
私たち自身も数え切れぬほどの涙を流しました。

少しでもご参考になればと思いお話致します。

埋葬に付いて色々な方法がございます。
その中で私がお勧めするのは火葬です。
公共や民営で火葬をして下さる場所も増えました。
ご自宅まで専用の施設を積載した車で来て下さるサービスもあるようです。
選択(価格も変わります)によって、個別に火葬してくださるパターンと、集合火葬のパターンがあり、拾骨も飼い主さんが行うパターンとスタッフが選り分けて下さるパターンがあるようです。

先日、ニュースを賑わせた悪徳業者も残っているようなので注意は必要ですが。
私の実体験から、お焼き場で煙となっている姿を見ると、なぜか分かりませんが心安らぐ気持ちになりました。
「煙と共に天国に昇って、お空の上から私達を見守ってくれている」
なにか割り切れた感じが致しました。

亡骸を目の前にして涙に咽び別れを悲しむことも大切でしょうが、亡くなったワンコはいつまでも彼方が悲しみに打ちひしがれる姿を見ていたくありません。
あなたの優しい笑顔が大好きだったから。
あなたの笑顔で幸せを感じていたから。

ワンコを飼えば、いつか必ず死を迎えることとなります。
あなたに愛を与えてくれたワンコに安らかな眠りについてもらうために、どんなに辛かろうとペットロスを乗り越えなくてはならないのです。

一つの手段としてお聞き下さい。

「ワンコを亡くした寂しさと切なさはワンコでしか埋められない」と言う方がおります。
「亡くなってしまったばかりなのに新しいワンコを探すことは心が引ける」と言う方がおります。
私達は、そんな彼方にこそ新しいワンコを家族として迎える事をお勧めします。
亡くなった子が、彼方が幸せになるのに怨んだり悲しんだりする訳がありません。
あなたの幸せが自分の幸せなのですから。
あなたの喜びが自分の喜びなのですから。

葬儀が終わり、ご家族の皆さんが落ち着かれましたら新しい家族を迎えることを考えられても良いと思います。
それが、亡くなった子の供養でもあると信じております。

ただ1つだけ分かっていて頂きたいことは、亡くなった子と同じワンコはおりません。
似ていても、全く違う子なのです。
近年、最新技術によってクローン・ワンコを作る事ができるようになりました。
亡くなった子の体細胞から遺伝学的には全く同じ犬を作る事が出来るのです。
それでも性格はもちろん、毛色やホクロ等は受け継ぐ事が出来ないそうです。
亡くなった子を追い求めて新しい子に託すのは無理な話。
亡くなった子はこんなに良い子だったのに…
ムチャを言っては新しい子が可哀想です。
犬種が同じだろうと、血統が同じだろうと、亡くなった子とは全く別のワンコだと分かって下さっていれば良いことです。

大切なワンコが亡くなって、悲しみを隠すことなどございません。
たくさんの思い出をくれたワンコの為に、たくさんの涙を流すことは素晴らしいと思います。
もしも宜しければ、亡くなった子の話を皆さんにしてみませんか。
ブログなどに写真と共に書き綴るのも良いと思います。

私たちは経験から、やはり新たに別のワンちゃんを迎えられることがより良い心の支えになるかと考えております。
子犬を迎えられるのもいいでしょうし、保護犬を迎えることも良いと考えますし、飼い主様の高齢を考え躊躇されるのならばブリーディングの引退犬も良いと思います。

    

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