分かりやすくお伝えするためにあえて下世話的な物言いをします。
ご勘弁ください。
通常では、生まれた早々腹腔内に入っている精巣(金玉)が男性ホルモンの影響により陰嚢(玉袋)を目指して下降をはじめて、おおよそ8週齢までには陰嚢(玉袋)内へと移動し、外見上では陰嚢(玉袋)内に精巣(金玉)が2つ入っている状態になります。
精巣(金玉)が陰嚢(玉袋)内へと移動せずに腹腔内に留まっている状態を「陰睾丸」、「停留睾丸」と言います。
陰睾丸、停留睾丸の原因は遺伝性と考えられます。
これは発生率において動物種や家系に偏りがあることと、陰睾丸を持つ個体を選別すると発生率が減ることから明確です。
ブリーダーは絶対に停留睾丸の雄犬を繁殖には用いてはいけません!
又、飼い主さんは精巣腫瘍の発生リスクを下げる為に早期の去勢手術を行ってください。
皮下陰睾丸の摘出は比較的容易ですが、腹腔内陰睾の場合には開腹手術が必要となります。
停留睾丸と判断されるのは一般的に6か月程といわれていますが、獣医師によっても異なります。
陰嚢(玉袋)内へ下降していない精巣(金玉)では正常な生殖機能は期待できません。
理由としては腹腔内の体温が高くて精子の生成の支障が生じるからです。
つまり、「停留睾丸」の男の子は生殖に向かないと承知してください。
ただし、「停留睾丸」であろうとも男性ホルモンは分泌されますので健全な他の犬と同様に性欲は見られます。
又、「停留睾丸」の場合は精巣腫瘍の発生がおおよそ13倍にもなりますので健康被害の面からも不利益を生じます。
去勢手術後は体質やホルモンバランスが変わることにより肥満になりやすい傾向があります。
食事管理には特に注意し、運動量を増やす努力をして下さい。
去勢手術をすることで、停留睾丸が解決され、精巣腫瘍や前立腺肥大、肛門周囲腺腫などの予防にもなります。
去勢手術により、マーキングの約60%、マウンティングの約80%、放浪に関しては約90%のワンちゃんに有効といわれています。
当然ですが、去勢手術を行えば完全に生殖機能は無くなります。
赤ちゃんを望むことは絶対に叶いません。
ご承知ください。