遺伝子座(locus)/優性順位
A(Agouti)アグーチ/本来持っている、ベースとなる遺伝子座
1.ay phaeomelanine(フェオメラニン)レッドを発現。
2.at eumelanine(ユーメラニン)ブラック&タンを発現。
3.as セーブルを発現。
B(Brown)ブラウン/チョコレート作出の為の遺伝子座
1.B カラーに影響せず。
2.b ブラックをチョコレートに薄める。
(鼻、アイライン、パッドも合わせて変色させます)
C(Color)カラー(アルビノ)/ゴールド、クリーム作出の為の遺伝子座
1.C カラーに影響せず。
2.cch レッドをゴールドやクリームに薄める。
(鼻、アイライン、パッドは変色しません)
D(Dilution)ダイリューション/ブルー、イザベラ作出の為の遺伝子座
1.D カラーに影響せず。
2.d ブラックをブルーに、チョコレートをイザベラに薄める。
(鼻、アイライン、パッドも薄まります)
E(Extension)/本来持っている、ベースとなる遺伝子座
1.E カラーに影響せず。
2.e ブラックをレッドに変色させる。
(鼻、アイライン、パッドは変色しません)
G(Gray)グレー/グレー作出の為の遺伝子座
1.G ブラックをグレーに変色させる。
(鼻、アイライン、パッドも薄まります)
2.g カラーに影響せず。
K(Dominant Black)ドミナント・ブラック/ソリッド・ブラックを作出、ブリンドル発現の為の遺伝子座
1.K レッドをブラックに変色させる。
2.kbr ブリンドルを発現させる。
3.k カラーに影響せず。
M(Male)マール(ダップル)/ダップル・コート作出の為の遺伝子座
1.M ダップル班を発現する。
2.m コートに影響せず。
S(Spot)スポット/ホワイトを発生させる為の遺伝子座
1.S コートに影響せず。
2.si アイリッシュスポット
(鼻口部、胸、脚、首、尾に白い部分)を発現する。
3.sp パイボールドを発現する。
4.sw ホワイトコートに変色させる。
T(Ticking)ティッキング/斑(ブチ)を発生させる為の遺伝子座
1.T ホワイトコートに有色の班をつける。
2.t コートに影響せず。
(社)ジャパンケンネルクラブ(JKC)では、下記のようなコートのカラー(毛色)はスタンダード(犬種標準)として認められないと言うスタンスを取っております。
よって、FCI(国際畜犬連盟)規程に基づき、血統証明書には毛色の前に★印(2002年10月1日以降)、×印(2008年4月1日以降)を印字されてしまいます。
※イタリアン・グレーハウンド
ブラック&タン
ブラック,タン&ホワイト
ブルー&タン
ブリンドル
ホワイト
ホワイト,ブラック&タン
とは言え、現行では認められていない犬種やカラーが増えてくると、致死遺伝や決定的な先天性疾患などが起こらない限り認めざるを得ない状況となっている様な気が致します。
実際、スタンダードとして認めていないと言えども、あえて記載されていると言うことはこの様なカラーコートが相当数作出されているのですし、実際にその毛色の犬を見ることも不可能ではありません。
そもそもが現在純血種と言われている犬種のほとんどが近年ブリーダーによって血統が固定化されたものばかり。
ダックスフンドなどは、当初はブラック&タンとレッドしかいなかったと言いますから。
サイズだって限られておりました。
今のように、スタンダード、ミニチュア、カニヘンなど固定化もされておりませんでした。
犬種の追加公認だろうと、毛色の追加公認であろうと不思議なことではありません。
あえて私が述べるならば、健康に害が無く、体型や気質、性格などが変わらぬのであればバラエティーが増えることは種の多様性と美しさも無限の可能性を感じさせステキに思ってしまいます。
5年後、10年後には、この中の何種類が認められているのでしょうね。
毛質(コートをヘアードとも表記します)
おおよそ3種類の毛質(スムース、ロング、ワイアー)に分類されます。
2種類の遺伝子座(Lシリーズ、Whシリーズ)によって毛質は決定されます。
毛質を決定する遺伝子座
Lシリーズ /コートの長さを決定する為の遺伝子座
1.L スムースコートを発現させる。
2.l ロングコートを発現させる。
本来のスムースコートは
Whシリーズ/ワイアー・コートを発現させるための遺伝子座
1.Wh ワイアーコートを発現させる。
2.wh ワイアーコートではない。
本来の毛質を発現させる遺伝子座
ワイアーコート LLWhWh
スムースコート LLwhwh
ロングコート llwhwh
異毛種間での交配は、優れたスタンダード(骨格、体形、気質等)を有する子がいなかった頃には欠点を補う為に頻繁に行われておりました交配手段でした。
異毛種間交配により、本来のワイアリーな堅い毛質が損なわれたり、毛量の乏しいコートになったり、スタンダードとは掛け離れた毛質になる可能性が高くなります。
現在は、各毛質のワンコとも素晴らしい資質を持つ子を比較的容易に見つけることが出来ます。
異毛種間交配は避けるべきです。
カラー遺伝子は命に関わる交配にも繋がりますので、表記・記載ミスなどございましたらご指摘願います。 2020.4/1