ほとんどすべてのブリーダーでは特に一般の方の飼育されている女の子への交配はしていないと思います。
感染症等を持っていないか、攻撃性は無いか、交配料の設定、1回の交配で100%妊娠するわけではありませんので未妊娠の場合次の交配をどうするか、事故等があった場合の責任等々リスクが大きいからです。
私の知っているほとんどのケースは男の子も女の子共にご自身の所有している子から出産に至る事例です。
なので、交配を希望される場合は女の子を購入された縁を頼りにそのブリーダーさんにお願いすることが多いように感じます。
それでも理由をつけてお断りされるケースが多いはずです。
ちなみに男の子をお持ちで女の子との交配を望まれてもほぼ100%無理でしょう。

  

最初の発情出血(ヒートや生理と呼ばれるもの)の見逃しも考慮し、発情出血が開始し、血液がうすくなり、外陰部は腫大してきたおよそ8日目から交配を始めます。
男の子が興味を見せなくなるおおよそ14日目くらいまでは交配を重ねます。
他犬舎さんに比べると厚い対応ですがそれでも義妊娠はおこります。
妊娠の確率を上げるためにスメア検査(膣細胞診)などを行う動物病院もあるようです。
そこからおおよそ63日目くらいで出産となります。

  

交配料は8万円、女の子の食餌代・管理費として2万円。
当犬舎までお連れ願います。
妊娠していなければ再交配、再々交配までは交配料を無料(食餌代・管理費はその都度)とします。
子返し(交配料は無料ですが子犬を1匹引渡す)はおこなっておりません。
万一、1匹しか生まれなかった場合のトラブルを防ぐためです。
交配期間中は女の子をお預かりさせていただきます。
最善を尽くしますが男の子の様子によっては交配できない時があります。
交配を確認できなければ交配料の8万円のみご返金します。
再交配、再々交配の場合、交配を確認できなくとも一切のご返金は出来ません。
人工授精はおこなっていません。
女の子を返却する際に「交配証明書」(ジャパンケンネルクラブにて血統書申請できる用紙)をお渡しいたします。

生まれた子犬にJKC(ジャパンケンネルクラブ)血統書を取得する場合、まずJKCの会員にならなくてはいけません。
JKCへの入会費と年会費を払い、犬舎号登録をおこない、母犬の名義変更をし、子犬の一胎児登録を終わらせます。
そちらの費用も合わせると数万円はかかると思います。

  

感染症予防ワクチン、狂犬病予防ワクチン接種は完全にお済ませください。
夜泣きの子はお預かりできません。
ドッグラン等で他の犬や見知らぬ人間とフレンドリーでしょうか?
初めての場所で、誰も知らない人に囲まれ、知らない犬に突然交配される事の怖さに攻撃的になってしまう子もいます。
万全を期しますが、不慮の事故、怪我、骨折、噛傷等は一切責任を持てませんのでご承知ください。
今まで発生したことはありませんが、犬相手の事柄になりますのでお互い双方の責任は取り兼ねることとします。

  

義妊娠、出産前の妊娠事故、帝王切開、出産事故、死産、奇形等何が起きるか分かりません。
赤ちゃんの突然死、心臓や呼吸器、腎臓に障害を持った子も現れます。

生き物ですので母犬や子犬の出産事故等による死去は覚悟ください。
自然分娩が出来る子も多いのですが、小型犬種は難産になってしまう子も一定数はおります。
特に大切な母犬が飼い主さんの選択した出産により死を迎えることは非常に辛いことと思います。
獣医師がお休みの日祭日や夜間に難産が掛かると非常に厳しい結果が生じかねません。
帝王切開も普通に行われます。
帝王切開ですと動物病院から10~20万円程度の請求が来ると思います。

獣医師やブリーダーが出産補助等のレクチャーやコーチングはおこなわないと思います。
出産も個体差により違いますし、責任問題も発生しますのでデメリットが大き過ぎます。

特に奇形の子や障害を持つ子の命が長らえた場合、どのようにされるか大変な決断が必要です。
最悪の場合、ご自身が決断して殺処分を下すことにもなります。

無事産まれても母犬が育児をできなかった場合、数週間は哺乳や排便排尿の補助をしなくてはなりません。
ママがお世話をしなければ3時間に1回程度ミルクとトイレのお世話を真夜中や休みなく1か月程度行わなくてはなりません。

イタグレですと最高9匹の子犬を産んだことがあると聞いています。
一般の方は子犬の販売をすることが法律で禁止されていますので無料の嫁ぎ先を探さなければなりません。

動物愛護保護法では一般の家庭での繁殖ではマイクロチップの挿入は自由選択になっておりますが私としては挿入させた方が良いと考えております。

  

イタグレは他犬種と比べ好発性疾患(犬種ごとに発症しやすい病気)が少ない犬種です。
イタグレの遺伝子検査は日本国内ですと変性性脊髄症(Degenerative Myelopathy:DM)、進行性網膜委縮症(PRA)-PRCD、フォンウィルブランド病タイプI(vWD1)の検査が可能かと思います。
他の遺伝子検査はイタグレでの遺伝性疾患の発症理由にまだ判定がつかないようです。
我が家の子はすべて遺伝子検査にてクリア(問題なし)との結果を得ておりますが、交配を望まれる子にも遺伝子検査をしておいた方が将来の不安が無いかと思います。

  

出産は貴く、愛犬から生まれた子犬は本当に可愛いです。
私は一般の方がチャレンジすることに否定も拒否もしません。
私たちブリーダーも当然素人から始めました。
ただ、人間の出産ですら大きな事故や大きな病気を持った赤ちゃんが生まれてきます。

上記しました重大なリスクは覚悟してください。
想像以上に大変なことと思います。
なので、皆さんはご自分での出産をあきらめブリーダーからパピーを望まれるのだと考えます。
そのようなことから、ほとんどの皆さんは飼育している愛犬の子を欲していても命の危険性とを天秤に掛け私どものようなブリーダーから子犬を購入する判断を選ばれます。
他のブリーダーさんではほとんど無理でしょうが、我が家でしたらパパやママと同じ血の繋がった子犬や兄弟犬を選択することもできますし、そのような血統で繋がった子を態々選ばれる方もおられます。
十分お考えの上にお決めになるのでしたら、微力ですがお答えさせていただきます。