イタリアングレーハウンドのブルーアイ

ブルーアイを持つイタグレは将来的に身体に悪影響を及ぼすから絶対に飼育してはいけないと声高に唱える方があります。
本当でしょうか?
最新の遺伝学から健康には全く問題はありません!

シベリアンハスキーやオーストラリアン・シェパード、ダルメシアン、オールド・イングリッシュ・シープドッグ、ウエルシュ・コーギー・ペンブロークなどの犬種に多くのブルーアイ(青い目)が確認されています。
たとえばシベリアンハスキーのブルーアイは18番染色体にあるALX4遺伝子の近くで生じた遺伝子の変異にて生じ、目の色素生成能力が落ちる変化により瞳が青く見えると言う研究結果があります。
遺伝情報の断片が重複するこの変異は、オーストラリアン・シェパードの持つまだら模様のブルーアイにも関連しているとされています。
シーズー、ペキニーズなど数多くの犬種にもブルーアイをもつ子犬が産まれることが知られております。
オッズアイと言われる片目だけがブルーアイの犬もおります。
虹彩の一部分のみにブルーが入ることも有ります。

ブルーアイを持つ犬はどの様な危険性を伴うのでしょうか?
まだ胎児期の視聴覚や内臓組織を形成する際にメラニン細胞が正しく分布できず聴覚障害、視覚障害、内臓の奇形が起こりやすいと言われております。
百一匹わんちゃんで有名なダルメシアンでは、なんと全頭の20~30%が全く耳が聞こえなかったり、音が聞こえにくいなどの聴覚障害を持っていると言われております。
内蔵に奇形があると胎児より育つこともなく流産を起こしたり、無事に産まれても大きな障害を持ったり、長く寿命を全うすることが難しくなってしまいます。

犬に対して多少の知識を持っている方が声高にブルーアイの飼育を危惧する理由を考えてみます。
人気犬種であるチワワやダックスフンド、ポメラニアン、シェットランドシープドッグの中でも特に人気の高い毛色としてブルーマール(ダップル)が過去には流行りました。
ランダムに色が抜けていて、斑(まだら)になっている大理石のような色合いがとても美しく魅力的な毛色です。
全く同じまだら模様が発生することはありませんので我が家の子が唯一無碍の一匹になります。
遺伝や獣医学の知識もない繁殖屋はさらに高額で子犬を販売するためにブルーマール(ダップル)がよりしっかり発生するような繁殖を重ねました。
すると6~9割が死産となったり、産まれた子犬の耳が聞こえないとか目が見えないなどとブルーマール(ダップル)を持つ犬には明らかな障害が異常なほど多く発生することとなりました。
そこで獣医師や意識の高いブリーダーたちがブルーマール(ダップル)の危険性を訴え世間に広がった次第です。
特に危険性の高いブルーマール(ダップル)は頭部へ多めの白斑、虹彩のメラニン色素が抜けたことによるブルーアイでした。

イタグレのブルーコート(被毛の色)のほとんどの子犬の瞳(虹彩)はブルー(薄い青色)になります。
イタグレにそのような障害が発症するのでしょうか?
イタリアングレーハウンドは血統が固定化されてから数百年の歴史を持つ古い犬種です。
飼い主が仕留めた鳥や小動物を取ってくる猟犬として珍重されました。
すぐれた視覚を持つハウンドです。
視聴覚に障害を生じさせるような危険性の高い遺伝性疾患を持っているわけがありません。
現代の最新の獣医学でも実証されています。
ブルーマール(ダップル)を発症させるカラー遺伝子は「M(Male)」。
イタグレのブルーを発症させるカラー遺伝子は「G(Gray)」もしくは「D(Dilution)」と言われます。
遺伝子が違えば全く作用も違います。
視聴覚障害や内臓疾患等を発症させる遺伝子ではありません。
メラニン色素の発生を妨げる訳では無く、メラニン色素を薄めさせる遺伝子です。
イタグレの子犬時のブルーアイ(青い目)は成長につれてブラウン(茶)に変化していきます。

イタグレのパピーの瞳を見て「ブルーアイだから飼育することは危険だ」などと言う方の意見は間違えています。
知ったかぶりもいい加減に。
現代人ですから遺伝学を基に正しい知識にて語るべきです。
ブリーダーも常に最新の情報を得られるように心がけなければいけません。

ドッグブリーダー パピーズママ
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